世界難民の日にあたり入管法改定に強く反対し国際人権法の遵守を求める声明
2024年6月10日、入管法改定法が全面施行されました。しかしながら、この改定法は問題を多く含み、日々難民の支援をおこなっている団体として、容認できるものではありません。
6月20日の世界難民の日を迎え、名古屋難民支援室は、入管法改定に改めて反対し、国際人権法の遵守を求める声明を発表します。
ポイントは以下の通りです。本文は、下記よりPDFにてご覧ください。
- 今年1月、名古屋高裁では、ロヒンギャの男性に対してなされた2回目の難民不認定処分が取り消されました。これにより、2回難民不認定とされた方の中にも難民が存在することが明らかになりました。
難民条約が極端に狭く解釈され難民認定が適切に行われていない日本において、3回以上難民申請をしている方を送還することは難民を送還する可能性が非常に高く、ノン・ルフールマン原則に違反すると考えます。
複数回申請者の送還は、言語道断です。 - 一定の犯罪歴を有する方について、1回目の難民申請の結果を出すことなく送還することは、手続保障の観点から問題があると考えます。
- 2024年2月末までに認定された補完的保護対象者の99.5%はウクライナ人であり、不公正な運用がなされています。国際人権法で送還からの保護が認められている人を、確実に保護してください。
- 難民は、本国での迫害から逃れてきた方であり、本国政府から危害を加えられることをおそれている方も多いです。そのような方に、日本にある本国大使館に接触してパスポートを取得するよう強制することは、迫害のリスクを高めます。そのため、旅券取得命令制度の創設に反対します。
- 仮放免の条件変更により仮放免許可を得ることが難しくなる一方、監理人を見つけられないことにより監理措置の利用もできず、結果として収容が長期化する場合が考えられます。国際人権法は恣意的な収容を禁止し、出入国管理手続において収容は最終手段でなければならない、としていることを深く自覚し、国際人権法に沿った収容制度の運用を求めます。また、監理措置制度自体にも問題があると考えます。
以上のことから名古屋難民支援室は、世界難民の日にあたり、入管法改定に改めて反対するとともに、国際人権法に沿った運用と、必要な法改正を強く求めます。